2018年11月実施「大学入学共通テスト」試行調査分析

2018年11月26日

今月、「大学入学共通テスト」に向けた試行調査が実施されました。新試験に向けた試行問題には現行のセンター試験とは異なる傾向が多くみられました。特に国語の現代文や数学ⅠAでは記述問題が出題され、今後の共通テスト対策の鍵となります。また、現行のセンター試験は全て選択式のため自己採点がしやすく、国公立大出願の際も自己採点の点数で志願先を決められますが、新試験では記述が課されることで自己採点が難しくなるため、国公立大入試に出願の際、どうしたらよいか悩んでしまう生徒さんが大勢でてしまう懸念もあります。
そのため、志望校のボーダーラインよりも少し余裕を持って点数をとらなければ安心して出願できませんので、高校1年生の皆さんは今から少しずつでも、新試験に向けた情報収集を意識する必要があります。
今回は試行調査で実施された教科の中から、主要3教科となる「英語(リーディング)」、数学、国語に関しまして、詳しく分析してみたいと思います。


[ 英語 リーディング ]

センター試験において大問1で出題されていた「発音・アクセント」、大問2で出題されていた「文法問題」「語句整序問題」は一切出題されず、全て純粋な読解問題となりました。大問6つが全て読解問題であることに加え、設問もすべて英語で記されているため、センター試験以上に速読する力が求められています。文法力を身に付けることも大切ですが、センター時代である程度出題されていた単発の文法問題はもう出題されません。文法学習は読解力育成のための「手段」として学び、最終的には読解力・速読力を身に付けることが目標になると考えられます。

新試験調査で出題された文章は「ウェブサイト」、「ブログ」、「料理レシピ」、「プレゼン資料」など実社会で使用される実用的な文書が多く課されています。また単に文章を読み取る力だけでなく、グラフを読み取る力や、必要な情報だけを読み取る素早い情報処理能力(スキミング/スキャニング)、また、答えは1つとは限らない新しいタイプの問題も出題されています。日頃から自分自身が興味のある分野のブログやウェブサイトを英語版で閲覧したり、食べてみたい料理レシピを英語で見てみるなど、日常生活と英語を結び付けてみると、新試験に有利な英語力を身に付けられると思います。


[ 数学 ]

新試験の数学で最も注目されているのは、数学ⅠAで課される「記述問題」だと思います。論理的な答え方はもちろん、数学記号がしっかり使用できているかも重要となります。新試験の数学では記述ばかりに関心が寄せられがちですが、記述式模試や普段の定期試験で課される記述問題に慣れていれば、新試験の記述問題であっても極度に心配する必要性は感じられませんでした。
むしろ新試験で難化が感じられたのは、「文章量」と「誘導」でした。新試験は従来のセンター試験に比べ文章量が激増し、ベクトルの問題では立体の写真が掲載されるなど、文章力や立体判別能力も求められています。また、センター特有の「ステップを踏んだ丁寧な誘導」が新試験では見られないため、一から自分で答えへたどり着くためのプロセスを見出す発想力・思考力が必要となり、真の数学力が試されています。
新試験の数学では記述力はもちろん、素早く文章を読み取る読解力・情報収集力や、誘導がなくても自分自身で解答への道筋を見出す、思考力・発想力を伴った真の数学力など、総合的な力が求められていると思われます。


[ 国語 ]
大学入試改革で最も大きな変革を迎えるのが国語であり、文系・理系を問わず、今後の大学入学共通テストで最も大きな鍵を握る教科となります。
大問1で記述問題が3題出題されるため、これまで国語の記述対策が必要なかった理系の生徒さんも、今後は記述対策が必要となります。映像授業や一斉授業では記述対策に限界があるため、添削形式による個別指導の重要性が高まります。
新入試における現代文の特徴は、上記で述べた記述以外にも見られます。現代文は大問1~大問3で出題されますが、いずれも複数の文献が出題されたり、複数の資料と合わせて本文を読むなど、1つの文献ではなく複数の文献を比較し、多角的な視点で論理をまとめていく力が求められます。そのため、これまで以上に様々な文章に触れる練習を積み重ねる必要があります。
古文・漢文に関しては、記述問題は出題されていません。古文の最終問題で会話形式の問題が出題されたり、現代文のように漢文でも複数の文献が出題されたりはしていますが、古文・漢文に関しては現行のセンター試験から大きく変化はしていません。従来のセンター対策がそのまま共通テスト対策に通じるところが多いため、古文・漢文でしっかり点数をとることが、新入試の国語で高得点をとるためのポイントになると感じられます。

松永慎吾

【松永慎吾 プロフィール】
函館ラ・サール高校、大阪大学外国語学部卒。
秋田の学習塾イデアグループ指導監理官就任。秋田中央高校にて「小論文テクニック講座」や能代松陽高校にて「大学進路講演」など高校講演実績多数。ABSパイセンでは「チャーティー」ABSタマリバでは「ラ・サール伯爵」としてラジオ番組に出演中。

 

 

 

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